「“環境タイプ”で読み解く わたしの生きづらさ」②

会議でホワイトボードを使って説明しようとする真面目な若者が、周囲のテンポとズレて空回りしている様子を描いたアニメ風イラスト あなたの意思
周りはテンポよく進んでいるのに、自分だけがどこかズレている。そんな空回り感、心当たりありませんか?

なぜ“環境のズレ”はこんなにも苦しいのか?


■うまくやってるはずなのに、いつも疲れる

職場や人づきあいの場面で、
「丁寧に接しているし、ちゃんと空気も読んでいる」
「嫌われないように、柔らかく伝えている」
「言いすぎないように、場を和ませている」

――それなのに、なぜか伝わらない。
むしろ、「距離感がある」「何考えてるか分からない」と言われてしまう。

こっちは“正しくふるまっている”はずなのに、なぜこんなにしんどいの?


■しんどさの正体は、“前にうまくいったやり方が通用しない”こと

人は「これまで通用してきたやり方=自分らしさ」だと思い込みがちです。
でも、「過去の正解」は、「今の場面」では通用しないこともある

そのズレに気づいた瞬間――
私たちは、「これまでの自分が否定された」ような感覚に陥ります。


■うまくいかない=“能力不足”ではなく、“環境ミスマッチ”のサイン

たとえば:

  • 本音を飲み込むことで、場を守ってきた人が「意思がない」と見なされる
  • 優しく聞くスタイルを貫いてきた人が、「意見がない」と軽く見られる
  • 確信を持って主張したら、「空気を壊す人」と受け止められる

これ、どれも能力や人柄の問題ではなく、「今いる環境の文化」とのミスマッチであることが多いのです。


■「環境が変わったのに、ふるまいを変えられない」ことが、しんどさを生む

そしてさらに苦しいのは――
頭では「通用しないかも」とうすうす感じていても、
**「変えるのが怖い」「変え方が分からない」「変えたら自分じゃない気がする」**という思いがあること。

これは、「自分を守るためのふるまい」が、すでにアイデンティティの一部になっているからです。


■あなたの“ふるまいの由来”を探ってみよう

第1回で少しふれたように、
多くの人は、自分のふるまい方を「安全だった環境」の中で身につけてきました。

  • 家庭で怒られないために身につけた「気配を消す習慣」
  • 学校で浮かないために使ってきた「ちょうどいい受け答え」
  • 先輩や上司に怒られないように磨いた「顔色を読む力」

その「ふるまい」は、あなたの生存戦略だったのです。


■でも、その環境はもう“過ぎた過去”かもしれない

今のあなたは、もしかしたら
「もっと自由にふるまえる場」にいるかもしれません。

だけど身体は、過去の安全ルールに従って動いてしまう。
だから、“緊張していないはずの場面”でも疲れる。


■セルフリフレクション(問いかけ)

少し静かな時間をとって、自分に問いかけてみてください。

  1. あなたが「うまくやれていた」と感じていた環境は、どんな場でしたか?
  2. 今の環境と何が違うと感じますか?(スピード、価値観、求められる距離感など)
  3. 今の環境で、あなたの“いつものふるまい”がズレていると感じることはありますか?

■次回予告:

「“今の時代”という環境タイプの特徴」
――ふるまいのズレが起きやすくなった背景を、社会の側からひもときます。


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