ジェームズ・E・マーシャ(James E. Marcia)は、1937年2月10日にオハイオ州クリーブランドで生まれた臨床および発達心理学者です[2][7]。温厚で思慮深い性格の持ち主とされ、音楽や演劇にも造詣が深かったようです[7]。
マーシャの代表的な理論は「アイデンティティ・ステータス理論」です。この理論は、エリク・エリクソンのアイデンティティ発達理論を発展させたものです[1] [3] 。
マーシャの理論では、アイデンティティの形成過程を「危機(探索)」と「コミットメント(関与)」の2つの軸で捉え、以下の4つのステータスに分類しています[1] [3] [6]:
- アイデンティティ拡散: 探索もコミットメントも低い状態
- フォークロージャー(早期完了): 探索は低いがコミットメントは高い状態
- モラトリアム: 探索は高いがコミットメントは低い状態
- アイデンティティ達成: 探索もコミットメントも高い状態
この理論が生み出された1960年代は、エリクソンのライフサイクル理論が注目を集めていた時期でした。マーシャは、エリクソンの理論を実証的に検証し、より具体的な枠組みを提供しようとしたのです[1] [4]。
現在、マーシャの理論は青年期だけでなく、成人期のアイデンティティ発達にも適用されています[2]。また、文化的な違いを考慮した研究も進められています[2]。
キャリアカウンセリングの現場では、マーシャの理論を用いてクライアントのアイデンティティ・ステータスを評価し、それに応じた支援を行うことができます[6]。例えば:
- アイデンティティ拡散状態の人には、自己探索を促す活動を提案
- フォークロージャー状態の人には、他の選択肢も検討するよう促す
- モラトリアム状態の人には、意思決定のサポートを行う
- アイデンティティ達成状態の人には、さらなる成長を支援する
キャリアコンサルタント試験で重要なキーワード:
- アイデンティティ・ステータス理論
- 危機(探索)とコミットメント(関与)
- 4つのステータス: 拡散、フォークロージャー、モラトリアム、達成
- エリクソンの理論との関連
- 青年期から成人期への適用
- 文化的差異への考慮
- キャリアカウンセリングでの活用方法
これらの概念を理解し、実践的な応用方法を学ぶことが、キャリアコンサルタントとして重要です。
Citations:
[1] https://study.com/academy/lesson/james-marcias-identity-theory-understanding-adolescents-search-for-identity.html
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/James_Marcia
[3] https://socialsci.libretexts.org/Courses/Rio_Hondo/CD_106:Child_Growth_and_Development%28Andrade%29/15:Adolescence-_Social_Emotional_Development/15.02:_James_Marcia__Theory_of_Identity_Development
[4] https://ivypanda.com/essays/eriksons-and-marcias-theories-comparison/
[5] https://files.eric.ed.gov/fulltext/EJ1326053.pdf
[6] https://nacada.ksu.edu/Resources/Academic-Advising-Today/View-Articles/Applying-Career-and-Identity-Development-Theories-in-Advising.aspx
[7] https://www.assessmentpsychologyboard.org/edp/pdf/James_Marcia.pdf
[8] https://note.com/ukys/n/n2e7cad2e199f
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